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佳き日々記

9月16日、佳き日。

砂浴ツアー終わって深夜に八ヶ岳に辿り着き

翌日、隣のおばあちゃんがふいにやってきて

「えーらい長いこと家空けてたねぇえ」

「うん、神奈川の海で砂掘って埋まる人達のお手伝いしてきたよ」

「そりゃあえらいことじゃねぇでもさみしかったよぉ」

「もう今年はそのお仕事終わったよ」

「よかったよかったあとで育てたミョウガとジャガイモもってくよぉ」

「やったぁじゃあオクラとモロヘイヤとで交換しようね」

「さみしかったよぉ」

「うん、ありがとう、そう言ってもらえるの嬉しいよ、あとでね」

「ほいじゃね」

「ほいじゃね」

ちっとおばあちゃんが潤んだ目でいたから

私もちょっと目が潤みつつ

互いに育てたもののお裾分けっこ。

なんて嬉しいこと。ありがとうございます。

さてさて。

小麦色なんてセクシーな色合いをとうに超えて

アンティークのテーブルとかが保護色になるくらいには

こんがりと日焼けして帰ってまいりました。

シャベルで掘って掘って掘って

身体に掌でかけていくのせていく包んでいく

真菰の環っかを頭の下にそっと仕込んでいく

砂浴部の部長を勝手に名乗って4年め

砂浴を広めたいって氣持ちがこんなに強くなる年になるとは。

そして、今回、最終ツアーのみ

午後の部の終わりに、ドネーションカフェを開いてみましたよ。

副部長の淹れる珈琲と酵素ラッシー、

あとはちょっとした果物とかあれこれ。

砂浴はやっぱり丁寧に身体やココロの循環を目指したいから

そんなにおしゃべりするのはピンとこなくて

でもせっかく逢えた友達や久しぶりに再会できた友達

砂浴に興味もって初めて来てくれた方

話したいし、話も聞きたい。

副部長がゆっくりゆったり珈琲やラッシーを仕上げてくれてる間

私はひたすら喋ってました。砂浴のこと。海のこと。ただの排毒ではなくて、
ものすごく大切な儀式でも在ること。くだらない恋バナ。なんならシモネタ。あぁ至福。

あ、私しゃべるの好きだわーと今更ながらに思ったカフェ。

そして帰ってきて、

翌朝の隣のおばあちゃんとの豊かなやりとり。

畑にでかけて受け取る優しい恵み。

幸せじゃ。

2代目の入れ歯代も今はないけどきっとなんとかなるし

ガソリン代にくらくらしたりもするけれど

豊かさとは

 お金で手に入らないものがどれだけ手に入るか

 お金じゃ受け取れないものが必要な時にそこにあるか

 今はくっきりとそう心にある。

昔はね、お金があるかないかとかが「豊かさ」だった。

お金の安心がある暮らしにとても焦がれてた。

でも、違うって薄々感じ始めた311以降。

熊本でその想いを何度も確認した5年間。

東京でいよいよ具体例で確信を深めた5年間を経て

今、戸板もガラスもまんまと壊れてて

これからめっちゃきっと寒くなるのに

外気温と同じになる古民家に住みながら

割っちゃった軽バンのスライドガラス代もどっひゃーの目眩!だけど

 でもあたし

豊かで豊かでしかたがない。

朝から鳥の声を聴きながら

自分で焙煎したお豆で珈琲を淹れて

ふいにフレンチトースト焼いて

森や山を眺めながら食べるって、いくらだろう。

おいくら払ったらこれが手に入るかって、

そういうことじゃない、ちっとも。

大切な人に手紙を書いたり

大事な人から贈り物を受け取ったり

離れていても

SNSも関係なく

心をこめて繋がりたい人とは繋がれる。
そういう豊かさも含めて。

あぁ、秋だからか。

なんか、いろいろグッとくる。

そしてまんまと忘れてた。

はいこれ日記です振り返ります。

わっしょいさくさく振り返ります。

8日。

素敵な旅人と大事な再会の夜と朝。

あったかいご飯。
その人と囲む食卓を想像しながら収穫する歓び。

9日

まこも作業。ジャンさんとランチ。心からココロザシの話をする。
すごい濃い時間だった。

夕方からまこもてらす会員さんを駅にお迎え。重陽の節句。
菊の花をあしらいまくった宴の幸福。夜空に2人で見惚れ、虫の声に2人で浸る。

10日。

スライドガラス修理に朝から甲府へびゅーん。
でまたすごいドラマチックを経てともあれびゅーんと戻ってまこも作業。
初参加の会員さんも一緒に話が盛り上がりまくるランチ。

真菰さんはひたすらにすっくすく。古代米さんの趣きたるや極上。

夕方から【施術+宿泊】の親子と合流して宴。急遽珈琲豆焙煎WS。

外に椅子を出して3人でお月見。秋の虫の声を身体中で聴く。

満月に仕立てた枕をかざす。みるみるふっくらする枕に驚愕。

11日。

朝から渓谷へでかけて仕上げの施術と朝ご飯。珈琲とフルーツと美味しいパン。
美しい樹々。浅瀬の流れ、水の綾。優しい時間。

さて親子と別れ、富士見町へ。
リノベされたばかりの家の取り壊しに伴う畳の受け取りに珈琲豆を携えて。
むすひのこばさん米ちゃんと合流。

さささと2階に運び入れ、縁側にて3人でスイカ食べながらおしゃべり。
深くも浅くもいろんなおしゃべり。あぁ、大好きです。

ご注文の真菰枕の発送、そして手渡しの方へとお届け&お茶。

戻って砂浴ツアー準備。

12日。

朝からわっしょいわっしょい荷物を運び込み、いざ鵠沼!

ラストツアーはどの回も、事前に健康面のご相談のあった方がいらっしゃる。
楽しいだけじゃない。緊張感も持って臨む。
お役目をきちんと果たせるように海に挨拶し市杵嶋姫に想いを馳せ身体にエネルギーを充填する。

変化を起こすのはあくまで本人で

それを助けるのは

海や空、波や風、砂、真菰、海水の塩や梅干し、湧き水。

でも、砂をかける瞬間にきちんと起きるべきことが起きるように

こちらはこちらで掌にそっと祈りを込める。

首だけだしてこの星の微細なミネラルに埋まるだなんて、

グラウンディングなんてもんじゃない。

海にそのまま繋がってる濡れた砂の中は

波の動きの影響をダイレクトに受け取る。

寄せる波で身体中にそっと圧がかかり

引いていく波は海水で繋がってる砂も引っ張り

砂が触れる皮膚から少しだけ、でも実はとても力強く離れようとする

振動、余白、吸着の排毒。

波が寄せて返すごとに起きる圧と緩めと解きと手放し。

うたた寝で意識が遠のけばよけいに

波と呼吸の共振が排毒を促す嬉しい仕組み。

なにより。

この星にいったん還るかのような砂浴での睡眠が

実はどれだけの安心感をその体に心に与えてくれるか。

だからこそ浮かんでくる感情も思い出す感覚も含めて。

そしてだから私は、

真菰の環を頭の下に敷くのだ。

より佳き振動が佳き余白を生み佳き循環を経て

大切な伝言をその身に受け取りますように。

 もちろんこれは、私が信じている砂浴について、です。

これが世界の大正解じゃないし、すべては本人の体感が大事です。

あぁ、なんかね、ちょっと宣伝みたいで

こういう思いの丈は

参加の部員さんにタイミングで伝えたりはできても

こういうふうに書くのはちょっと気が引けてたのですが

あぁ、すっきりした笑

来年佳かったら埋まりましょう。そして、産まれましょう。

初日の砂浴と、初のドネーションカフェ【ZUMIコーヒーとICHIKOおやつ】発動。
を経てご注文の真菰枕や「こもりうた」もお渡ししたりして
「あぁあぁぁあ手渡しってやっぱいい!すごくいい!!」となる。
なんか、あぁ、手から手って、いいなぁ。
これからも真菰枕できるだけ手渡しがいいなぁ。
さぁ初日打ち上げにへっころ谷へ。美味しい。美味しい美味しい美味しい。
調子にのっていろいろ買い込んでお会計してパソコン忘れる。
「明後日伺います!食べたいし!!!」と連絡して安心してお祭りを観に行く。
纏さばきに見惚れ、太鼓や笛の音にしびれる。
あぁ、お祭り大好きだ。祭りを大好きな人達の嬉しそうな顔が大好きだ。
佳き佳き夏の夜。

13日。

2日目砂浴。施術希望の方がいらして海流し。からのカフェ。
私のおやつはあるものをテーブルにどんどん出していく形式。
1杯ずつひたすら丁寧な副部長とは対象的。
そしてしゃべりまくる。ふははは。
いろいろ私のことをよく知るまさなおさん差し入れの寒川神社のあんころ餅と珈琲至福。

へっころ谷はお休みなのでお友達おすすめのラーメン屋さんへ。旨し。

お財布を車に忘れそっと取りに散歩する。外のテーブルでよかった。

14日。

砂浴最終日。この日は最後だし午前の後も午後の後もカフェ発動。

今年の砂浴は濃かった。5回来て、15日開催できた。

確か去年は天候で企画しかし中止!が多かったし、
一昨年はコロナがあって県をまたぐ移動をやめましょうの空気感も強かったからあまり開催はできなくて。

やりきった。

そして、すごく反応が、手応えがあった。

これからも砂浴は拡がったらホントにいい!ってすごく想う。

私の砂浴はやれ湧き水だの真菰の環っかを敷きますだのややマニアックだって思ってて、
でもいろんなかたちの砂浴があっていいと思ってて。

ちなみに砂浴部の人が自主開催してくださってるのも嬉しい。

「お弟子さんですか?」と問われることも多くて、弟子ではもちろんないし、
その人オリジナルでなさってること。でもそれがいいし、それが嬉しいのです。

あとね、今回忘れられないことがありました。

私の砂浴のことを知って、

一念発起して頑張ってFacebookに再登録して、

一生懸命メッセージくれて参加してくれた女の子が居ました。

もしかしたらいろいろ体や心の事情で駅まで行けないかもだし
駅までいけても海岸まで行けないかも知れないから
急にそうなったらキャンセルの場合の参加費はどう払ったらいいですか?

の旨の問い合わせに

これはあくまで部活だし、体調不良でのキャンセルでキャンセル料なんてないし、
だから急に来れなくても連絡もできなかったら構わないし、
でもすごく大変になっちゃって
「砂浴しないけどちょっと助けに来て」
とかあったらまじで遠慮なく電話してね

と伝えて。結果その子は無事に来れて。

その子が最終日にも来てくれて。

砂浴中に、もう一回来たいと思った時の感覚をシェアしてくれた。

「あぁ、私、生きたいんだなぁって思って。」

その子の手を強く握った。

一緒に涙が溢れた。

感情ではなくて、心が震えての涙だった。
ものすごい「愛」が溢れた瞬間だった。

私と出逢ってくれてありがとう。


大切な人がどんどん増えていく。

 生まれてから続くこの旅は

   そうしたもので彩られていく。

いやもうほんとに大切な出逢いがたくさん、たくさんあったこの夏でした。

これからも繋がっていきたい!

心からそう想える人にいっぱい出逢えた夏でした。

さてさて、皆様とお別れして、海にご挨拶して、

一緒に朗読会や舞台をしている20年来の友ナツコも一緒に、
今後の活動の打ち合わせと意思確認を含めてへっころ谷で打ち上げ。
身体を直角に曲げて深々と頭を下げながら忘れたパソコンを受け取る。

そしてあぁ

美味しくて打ち合わせどころではなかったくらいに美味しかった。
やっぱりすごく美味しくて身体が全力で喜ぶ宴だった。

3人で恋バナだとかくだらない話だとかをしまくり
ゲタゲタと笑いながら食べた飲んだ食べた。

深夜に八ヶ岳に帰り着き荷物を運び出し

布団に転がり込む。

むしろ飛び込んだかも知れない。

15日。

朝2時間マグネシウムと真菰葉っぱてんこもり風呂に水没し
午前中いっぱい全力で砂浴の片付け掃除洗濯。
お昼前から午後いっぱい打ち合わせと企画会議。
夕方以降めいっぱい全身全霊で数日ほっといた畑と田んぼ。

帰ってきて、さぁ今日も一日頑張った珈琲飲むぞいと台所に行って
コンロに乗ってた石をどかそうと掴んだ瞬間、想定外の激アツで吠える。

精算と打ち合わせのために家に来てた副部長が
私が帰る直前まで珈琲を焙煎してたとのこと。

手を流水にあてながらやおらやり場ない怒りに震える。

「Mなのにそういうのはダメなんですか?」

「精神的なMだからそれは違う!
 例えば好きな人に
 『それすごく熱いけどトングとかタオルを使っちゃダメ。手でどけて。』
 ってセクシーに言われたらすごくグッときて我慢して頑張れる。
 ただ身体が痛いとか熱いのが好きとかそういうことじゃない!!!」

「……ちゃんと石の周りの空気を感じてればあきらかに熱いって分かるのに……」

「いや急いでお湯沸かして珈琲のみたかったから!」

「……丁寧に動作をして掌(たなごころ)で、そういうのを感じたらいいのに……」

「◎△◇✕◎◯◯✕!!!
(お前の置いた石で!お前が焙煎したまま置いといた焼けた石で!)」

言ってることは確かに真っ当ですが、

「お前が今言うなよ!」ということが多い副部長です。

……そういえば今回、参加者の方に親子に間違われました。
いいえ副部長は息子ではありません。私の息子とは実に仲良しで兄弟みたいですが。

ゼロキャン(熊本&東京時代にやってた福島っ子の保養キャンプ)の時の相棒のイケダチカオ的な、
お笑いで言うなら、まぁ、コンビです。

そういえばチカオと副部長の2名をCORONAの会長に逢わせに連れてったことがあるのですが、
それはもうホントに今思い出してもいろいろ震えるのですが話すとめちゃ長くなるのでまたいつか。

ともあれ、経費やらもろもろの精算会をして今後の予定や仕事の確認もして送り出し、

いそいそとニヤニヤと秋の恵みな夕飯の準備。
夜は八ヶ岳の秋の夜をいい女風に楽しむ。

真っ黒な肌におしっこを塗りながら。
おしっこのことと砂浴と真菰のことを広めたいあぁ広めたい。

あと、この夏、人生で一番美味しいラムレーズンサンドを食べた。

熊本で出逢った大好きな大好きな女性が創り出して世界に送り出してくれた宝物。

米粉のヴィーガンレーズンサンド。至高。
まるで食べる時間そのものが一つの映画みたいな。

 涙が出た。美味しすぎて涙が出た。愛だった。

こんなに幸せになるお菓子他に知らない。
こんなに美しい味わいに出逢える、人生の歓びと不思議。

16日。

ゆっくり珈琲を焙煎して、
モロヘイヤを湯通しして叩いてお醤油と混ぜておかか乗っけて
隣のおばあちゃんに届けてそのままおしゃべり。
失くしてたゆうちょの通帳が書留で届くのを待ちながらこの日記を記す。

さぁ、秋です。

やりきった夏を経て、秋。
八ヶ岳に来て初めての秋。

今年から始めた長坂の真菰田んぼ。初物はいつかな。

毎朝観に行くのが楽しい。嬉しい。


 ……入れ歯作るんだ。新しい入れ歯で生のマコモダケかじるんだ。


ちなみにトップ画像は友達の誕生日をサプライズで祝うために
鬼の扮装をしてイノシシみたいに棒でくくられて当人の前に運ばれた後
あらためてケーキを差し出す私とそういう私を観て育ってきた息子のツーショット。

熊本の宝物DAYSの1コマ。

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